第25章 4本の罪鍵
苦しげな声を聞いてすぐに状況を確認する。
どうやら深夜の得意な遠距離戦には持ち込ませない絶妙な攻撃により、戦況は男が有利なようだ。
でも深夜が負ける事はない。
何故ならあのフェリドが既に男の背後へと辿り着いたからだ。
百夜教の男1
「!?」
男の後ろに現れたフェリドは、男の頭を躊躇なく鷲掴みにする。
百夜教の男1
「くそ!次元…」
フェリド
「うるさいよ」
もちろんそれだけでは動けるので男は反撃を試みた。
でもフェリドがそんな反撃を許す訳がない。
男が動く前にフェリドは思い切り地面に向かって投げ飛ばす。
深夜
「…ふぅ」
男が落ちた後に私達3人も地面に降り立った。
深夜は大丈夫かと見ると、体制を崩していなかったので自分で降りられたようだ。
百夜教の男1
「………」
「うわ…」
動かなくなった男は地面にめり込んでいた。
吸血鬼の力で投げられたのだ。
そうなるのは当たり前だろう。
これではしばらく意識は戻らない。
つまりもうこの男は戦えない。
フェリド
「おっと死ぬなよー。君、便利な武器持ってるんだから」
「便利武器ってこれの事…」
私の横に並んだフェリドの言葉で先程の意味がわかった。
確かにこの鬼呪装備は便利だ。
深夜
「うわー、あっさり倒すなぁ…」
自身が苦戦していた相手をあっさり倒されて深夜は苦笑を浮かべている。