第25章 4本の罪鍵
フェリド
「ちょっと便利武器を使おうかなーと思う」
クローリー
「便利武器?何それ」
フェリドは何か企んでいる時に見せる表情を浮かべていた。
けれどこちらに教える気のないその企みにはお兄ちゃんも意味がわからないようだ。
五士
「深夜様!」
「…あれはあっちに任せていいの?」
五士の声に振り向けば、深夜が男と共にビルを飛び降りた姿が見える。
未だに苦戦しているようなので、戦闘が終わったとばかりにゆっくりしている2人に一応聞いてみた。
フェリド
「いや、みんなに任せてばかりだと悪いから僕が行こう」
「何その心にもない言葉」
クローリー
「全くだよ。それなら早く動いてくれればいいのに」
口だけではなく、本当に2人が降りた方へと歩いていくフェリド。
その言葉を信用できない私達に色々言われていてもフェリドは気にしなかった。
フェリド
「アリスちゃんもおいで」
「…なんで」
あれくらいならフェリド1人で充分すぎる。
フェリド
「もちろんあいつは倒せるけど深夜くんの安全は保証できないから」
「何するつもり?」
フェリド
「とりあえずアリスちゃんはやばそうだったら受け止めてあげて」
そう言ってフェリドはこちらの返事を聞かずに飛び降りた。
「はぁ…」
仕方なく私もその後に続く。
深夜
「まずっ…」