第25章 4本の罪鍵
「周辺に反応は全くなし。追跡も無理」
フェリド
「だね〜。バステアはどこにいったんだろう」
そんな事を話しながらも周囲にはミサイルが降ってくる。
お兄ちゃんは剣で弾いて地面に着く前に爆破させているが、私の短剣では弾けなくはなくても適していない。
だから当たらないように躱していく。
フェリド
「………」
でもフェリドは避ける事も弾く事もせずにじっと立っていた。
手元の十字架のナイフを見ながら何かを考えている。
クローリー
「ちょっとフェリドくん?ぼんやり立ってないで自分の身は自分で守ってくれない?」
もちろんフェリドの周りにもミサイルは降ってきており、そんなフェリドを守っているのはお兄ちゃんだ。
フェリド
「いや、ちょっと今は考え事中ー」
クローリー
「ええー」
深夜達はバステア・イルクルと入れ替わりで残った人間の相手をしている為、ミサイルを防げるのはお兄ちゃんただ1人。
ただでさえ周りに落ちてくるミサイルをできるだけ弾いているのに、フェリドの事までフォローしないといけないから大変そうだ。
深夜
「…っ」
百夜教の男1
「次元槍、開け」
「!」
今までミサイルを躱しながら傍観していたが、状況が変わった。
深夜が放った2匹の虎を模した攻撃。
その攻撃を男は自分の前とお兄ちゃんの背後へ空間を繋ぎ、攻撃を躱しつつ反撃をしてきた。