第25章 4本の罪鍵
第六位始祖とはいえ、3人の貴族と人間に包囲されている状態。
なのにバステア・イルクルの余裕の表情は崩れなかった。
バステア・イルクル
「なめすぎる程の興味もないけどなぁ。俺は計画を立てないし」
フェリド
「そりゃ君は飼い犬だもんね」
バステア・イルクル
「言ってろ。計画を立てるのはいつも全部リーグ・スタフォード様だからお前なんて気にする価値もない」
元第二位始祖のリーグ・スタフォード。
その口ぶりから彼もここに来ているのだとわかる。
だからこその余裕なのだろうか。
そう思った時だった。
男の声
「次元槍、開け」
「…うわ」
フェリド
「おっと」
バステア・イルクルの背後、時空を切り裂くようにして現れたのは人間の男。
突然の出現には私達吸血鬼でも気づけなかった。
深夜
「鬼呪の武器だと!?」
どうやら私達にも気づかれずに移動したのは鬼呪装備の効果らしい。
あれが鬼呪装備なら少し面倒な事になりそうだ。
怪我はしないように気をつけないといけない。
深夜
「白虎丸!!」
すぐに深夜が攻撃を繰り出す。
百夜教の男1
「………」
深夜
「黒鬼装備か!!」
でも深夜の攻撃はあっさりと弾かれてしまった。
そんな事をしている間に、バステア・イルクルは男が現れた所から姿を消してしまう。
フェリド
「あら、逃げられた。便利な武器だなぁ」