第24章 取り憑いた化け物
暮人
「葵、終わりのセラフを動かせ。全軍に指令、百夜教を渋谷に入れるな!」
深夜
「グレン行くよ!!」
グレン
「………」
指示を聞いて深夜はグレンを呼んだ。
でもグレンは何も答えない。
本当に突然どうしたのだろうか。
グレン
「…ああ」
不思議に思っていると、グレンはぽつりと返事をした。
「………」
でもグレンの視線は深夜に向いていない。
彼は誰に返事をしたのか。
さすがにそれはわからなかった。
*****
敵は城壁外だけではなかった。
空を見上げると、そこは既にヘリで埋め尽くされている。
「あれ、全部ミサイル積んでる?」
クローリー
「そうだね。あれが撃たれたらここも厳しいかな」
私は真祖がいなくなってから戻ってきたお兄ちゃんと一緒にヘリを観察していた。
あのミサイルが全て発射されると何人が生き残れるだろうか。
暮人
「弓兵!ヘリを全機撃墜しろ!!」
慌ただしく動く人間達に指示を飛ばす暮人。
そんな彼を見ていると、フェリドがゆっくり近づいてきた。
フェリド
「ミサイルが発射される前に僕らも移動するよ」
「了解」
クローリー
「相変わらず休ませてくれないな〜」
お兄ちゃんの不満にフェリドは反応しないまま移動を開始する。
この方角は深夜達が防衛の為に行った方なので、合流するつもりかもしれない。