第24章 取り憑いた化け物
その兵士は慌てた様子で暮人へと声をかけた。
暮人
「こんな時に誰だ!?」
内容を聞いて重要だと思った暮人も手を止めないまま続きを促す。
兵士の言葉には、戦っている他の人達も耳を傾けて続きを待っているようだ。
兵士
「百夜教と名乗っています!」
暮人/深夜
「…っ」
グレン
「………」
このタイミングでの乱入にもグレンは落ち着いていた。
その落ち着き具合には違和感を感じる程だ。
シノア(真祖)
「…リーグが来たか」
こちらの話を聞いていた真祖の口角が上がっていた。
リーグとはフェリドの屋敷で出会い、何故か私を助けたあの化物の様な吸血鬼だ。
フェリド
「…リーグ・スタフォード、これで全員集合じゃないか」
フェリドもリーグが来た事を楽しんでいるように見える。
そして真祖はこちらへの関心がなくなったようで、窓を割って外に出て行ってしまった。
ここはかなり上の階なのだが、私達吸血鬼や真祖にとっては全く関係ないのだろう。
フェリド
「おお、ラッキー!これで助かった」
確かに助かった。
それでもフェリドの様に楽しそうに言える人はいない。
深夜
「どうする、グレン」
グレン
「………」
深夜の質問にグレンは答えなかった。
やはりグレンの様子はどこかおかしい。
暮人
「応戦するぞ」
だが、グレンの様子など暮人は気にせずに動き始める。