第24章 取り憑いた化け物
それまで気づいていなかったからか、グレンは突然現れた私に目を丸くした。
グレン
「なんでお前がここにいるんだ?フェリドとクローリーと一緒に真祖と戦っていたんじゃ…」
そういえばさっき兵士がフェリドを見て報告しに行ったような気がする。
だから曖昧な情報は知っているのだろう。
「フェリドとクローリーは戦闘中。私はフェリドの指示でこっちに来たの」
暮人
「お前をこっちに来させた理由はなんだ?あちらは少しでも戦力が欲しいはずだ」
暮人の疑問は最もだが、フェリドにはフェリドにしかわからない独特な考えがあるのだ。
「さあ?私の主はよくわからない吸血鬼だから」
でもその事を暮人に教える訳がない。
だから適当にはぐらかす。
グレン
「あの2人は大丈夫そうか?」
「いいや、倒されるのは時間の問題」
グレン
「…そうか」
フェリドとクローリーなら少しは時間を稼げるとでも思っていたのだろう。
私の答えを聞いてグレンはようやく時間がない事に気づいたようだ。
グレン
「もしあの2人がやられるようなら…」
暮人
「犠牲が出ても止める。やるぞ」
「………」
その考えは間違いかもしれない。
でも恐らくフェリド達はもう負けている。
フェリド達を倒したら真祖はこちらに向かってくる可能性が高い。
だとしたらこちらは全滅だ。
フェリド
「いやーいやー」