第24章 取り憑いた化け物
深く息を吐いてから扉に手をかける。
そして平静を装って入ろうとした時だった。
グレン
「だからそろそろ仲間になれ」
「………」
ミカへと語りかけるグレンの言葉に足を止める。
グレン
「俺らは真祖の犬じゃない。優を守りたきゃ協力しろ」
グレン達がミカを襲った理由はこれをわからせる為だったようだ。
それならば今、私が入ってしまうと台無しになるかもしれない。
ミカ
「…何も信じられないね。犬じゃない証拠は?」
グレン
「ねぇよ。なんせ相手は神みたいな奴だからな」
ミカ
「………」
グレン
「俺が裏切り者じゃない自信が俺にもない」
説得は一筋縄ではいかなそうだ。
それならこれ以上はこちらも待てない。
「…っ」
フェリド達の方へと意識を集中するが、もう何も聞こえてこないのだ。
グレンには悪いが、こちらを優先させてもらおうと扉を開けた。
グレン
「深夜、暮人。俺らに止められるか?」
暮人
「止めるしかない。敵が神で俺達が犬だとしても運命は自分達で決める」
深夜
「うは、かっちょいー」
3人はミカを包囲しながらも普通に話している。
それでもミカの行動に警戒しているようで、私の侵入には気づいていなかった。
グレン
「ふざけている場合じゃないけどな…」
「グレン」
深夜の態度に毒気を抜かれているグレンに声をかける。
グレン
「!」