第24章 取り憑いた化け物
「…大丈夫?」
フェリド
「行って」
「え?」
私の問いへは答えずにフェリドは短く指示を出してきた。
状況が掴めずに思わず私は首を傾げてしまう。
フェリド
「中やばいからクローリーくんが持ち堪えてる間に行った方がいい」
「…わかった」
フェリドはふざけていなかった。
だから私も返事をしてからすぐに動き始める。
フェリド
「クローリーくんは馬鹿力なんだよなー」
そんな文句を背中で聞きながら私は足早にここから立ち去った。
*****
(フェリドside)
フェリド
「んー」
3人で何とかなりそうなら戦力として参加させる予定だったアリスちゃんを戻らせてから頭を引っこ抜く。
クローリー
「くっ…」
戦況はどうなっているのかと見てみると、予想以上に苦戦していた。
これはまずい。
フェリド
「逃げよう。クローリーくん」
勝ち目なんて最初からないとは思っていた。
アリスちゃんもだいぶ離れたからこれ以上時間を稼ぐ必要もない。
クローリー
「君の足は?」
フェリド
「取りに行ったら殺され…」
その続きの言葉はクローリーくんの耳には届かなかった。
フェリド
「あ」
なぜなら、僕の目の前でクローリーくんの首が飛ばされてしまったからだ。
首が落とされた事で力が抜けたクローリーくんは膝から崩れ落ちてしまう。