第24章 取り憑いた化け物

その声の出処はもちろんシノアがいる研究室だ。


研究員２
「鬼の暴走は止められても吸血鬼になったら戻せないぞ！！」

研究員１
「くそ！！止まらない！！」


吸血鬼化は１度始まったら止まらない。
人間もその事をわかっているようだった。


フェリド
「やってるかーい」

研究員達
「！？」


そんな緊迫した中、場にそぐわない笑顔で現れたフェリドと共に私達も一緒に研究室の中へと入る。


研究員３
「きゅ、吸血鬼がこんなに…」

研究員２
「こんな時に限って…」

シノア
「…っ」


研究員達は突然現れた３人の吸血鬼に怯えて手が止まってしまっていた。
ベッドの上では目から光が消えたシノアが苦しそうにしている。


フェリド
「この子の吸血鬼化を止めたいんでしょう？」

研究員１
「…え」

フェリド
「実は僕止め方知ってるんだよ」


簡単に言ってのけたフェリドの言葉に全員が驚いた顔をして黙った。


研究員２
「…本当に？」


でもすぐにハッとした研究員がフェリドに恐る恐る尋ねる。


フェリド
「うん、止めて欲しい？」

研究員２
「できるなら…」


研究員達は疑いながらもフェリドの案に縋るしかない。
でもそんな方法があるのだろうか。


クローリー
「ほんとに知ってるの？」

フェリド
「もっちろん」


お兄ちゃんも私と同じで疑っているようだ。