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罪と罰【終わりのセラフ】

第9章 吸血鬼化




舐めた瞬間、彼女の口角が上がる。
その笑みはとても恐ろしいもので、圧倒的な実力が滲み出ているように思えた。


ミカ
「!」

女王陛下
「それで…これはどういう事かしら?」


目が合い、僕へ笑いかける。
呆気に取られる僕を見て表情を戻すと、後ろを向きながら問いかけるように呟く。


女王陛下
「フェリド・バートリー」


呼びかけた相手は死んでいるから動かないはずだった。


フェリド
「これはこれは、我らが吸血鬼の女王クルル・ツェペシ」


フェリドは何事も無かったかの様に起き上がる。
フェリドの平然とした表情にやっとで気づいた。
僕達は結局遊ばれていただけ。

あの銃弾も避けれなかったのではない。
わざと避けなかったのだ。


クルル
「それで?第七位始祖のあなたが、たかが人間の子供に撃たれた…そんな戯言誰が信じると?」

フェリド
「でも事実だ」

クルル
「いいえ、あなたはわざと逃がした。私の飼っていた天使(セラフ)の1人は逃げ、1人は死にかけている」


フェリドの嘘はクルルと呼ばれた女王には通用しない。
そして彼女は優ちゃんと僕の事をセラフと言った。


クルル
「この事件に弁解ができると言うなら今すぐ…」

フェリド
「いや〜弁解すべきは君の方じゃないかなぁ?」


クルルが更に追い詰めようとした時、フェリドはいつもより低い声で言い返す。
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