第24章 取り憑いた化け物
優一郎
「シノアは?」
グレン
「あっちの研究室」
シノアの居場所を聞いた優ちゃんの行動は早かった。
優一郎
「シノアの所に行ってくる」
そう言って簡単に拘束を解くと、優ちゃんは振り返らずに去って行く。
でもミカや他の人はついて行かない。
「あれ、1人で行かせていいの?」
優ちゃんは何をしでかすか全く予測不可能な人だ。
だから一応グレンに確認をとる。
グレン
「あー、何かあったらすぐに行けばいいだろ」
深夜
「そうそう。中の様子なら見えるんだし、心配しなくても大丈夫だよ」
少し迷ったのはグレンも同じ様に優ちゃんの事を不安に思ったからだろう。
それでも深夜の言う通り外から丸見えなうえ、研究員達が近くで見ている。
この状況ならさすがに何も起きないはずだと信じる事にした。
兵士
「うわぁ!!」
グレン
「…なんだ?」
そうして話が一段落した時に聞こえてきた兵士の叫び声。
この研究所の入口付近から聞こえたので、恐らく扉の前に立っていた兵士の声だと思われる。
深夜
「なんかすごーく嫌な予感がするんだけど」
「当たってると思うよ」
引き攣った笑みを見せる深夜へ私は断定してみせた。
敵襲ではなさそうなので、これは間違いなく彼らだ。
フェリド
「やー!みんな元気に人体実験してるー?」
クローリー
「………」