第24章 取り憑いた化け物

いつも通り楽しそうに現れたフェリドの後ろにはお兄ちゃんだけでなく、着いて来たのであろう三葉もいる。
なので私は迷わずお兄ちゃんの元へ向かった。


「どこにいたの？」

クローリー
「フェリドくんに連れられて色々とね」


そんな私と入れ替わる様に人間達へと手を振りながら近づいて行ったフェリド。


グレン
「元気に人体実験ってなんだよ」

フェリド
「えー？事実でしょ？」

君月
「！？」


グレンに突っ込まれたフェリドは、話には関係ないはずの君月の肩に手を回した。
驚く君月を気にせずにフェリドはその顔を覗き込む。


フェリド
「ね、君月くん？」

君月
「…！」


君月にはフェリドの言いたい事が伝わった様だった。
なんてデリカシーのない奴だと普通なら思うが、フェリドだからとなぜか許せてしまう。


深夜
「うわ、言うねー」

フェリド
「あはは、仲良くできそうでしょー？」

深夜
「いやー。僕の手には余ると思うけどなー」


感情が読みにくいこの２人の会話は聞いている方がヒヤヒヤしてくるのは気のせいだろうか。
現に君月と与一と三葉は顔を引き攣らせている。


与一
「…こ、怖いね」

三葉
「…ああ」

君月
「お前ら…こいつに肩組まれてる俺が１番怖いぞ…」


そう君月が訴えたのとほぼ同時だった。


シノア
「誰か！！誰か来てください！！」


焦ったシノアの声。