第23章 帝鬼軍の首都

「そんな事まで知ってるんだ」


やはり私の事を調べていた。
ほとんどの任務に参加していないからあまり情報自体がないはずなのに、フェリドが主という形になっている事までよく調べれたなと感心する。


暮人
「まあな。でもフェリド・バートリー派閥のお前らは貴族の中でも特に情報が不足している方だが」

「あのフェリド相手ならそうでしょうね」


さすがはフェリドと言った所だ。
反対に言えば他の日本の貴族達はかなり調べられている事になるが、フェリド派閥だから情報が守られている。


深夜
「あいつの事は行動を共にしても全く理解できなかったからね。さすがに子供には厳しいよ」

「…子供？」


引っかかる言葉が出た。
顔を顰めて言葉を繰り返す。


暮人
「お前らが住んでいた地下に子供がいただろ？あの中にこちらからスパイを紛れ込ませていたんだ」

「…子供のスパイ」


心当たりはあった。
深夜を助けて異変が起こったあの日、屋敷で話した男の子。
どこか違和感を感じたのを覚えているが、あの時話してきたのが情報を得るためだったのなら納得がいく。


深夜
「それ、アリスちゃんに言っていいの？」

暮人
「別に構わない。もうあいつらの都市はあそこにないからな」

「…都市を奪ったくせによく言う」


私の意識がない間に日本帝鬼軍によって地下都市が奪われた事はここに来る道中で聞いた。