第23章 帝鬼軍の首都
そしてその場に呼んでいた私にもその話を共有するつもりだったのだ。
「それであいつって?」
暮人
「ああ、俺に何百年もずっと柊に取り憑いていた化け物が取り憑いてるんだ。鬼に防いでもらっているが、もうすぐで心も侵食される」
「…それ私に言っていい事?」
それは明らかに敵側である吸血鬼に言うべきではない。
今、吸血鬼に唯一対抗できる組織は柊がトップのこの日本帝鬼軍だけだ。
その柊がそんな状態な事を吸血鬼に漏らせばあっという間に攻められて日本帝鬼軍は終わってしまう。
暮人
「お前に言えば一緒に来ている吸血鬼達にも伝わるだろ」
「だから?」
暮人
「グレン達には俺がおかしくなったら殺す様に言っているが、正直こいつらでは厳しい」
ここまで言われては彼が私達吸血鬼に何を求めているのか嫌でもわかった。
「私達があなたを殺せって?」
暮人
「そうだ」
「………」
判断をするのはフェリドだから別に伝えるのは構わない。
ただその化け物は私が反応したあれだろうから吸血鬼でも勝てない可能性が高い気がする。
「重要な情報だから伝えはする。でもどうするかは最悪な気まぐれ吸血鬼が決めるから」
深夜
「やっぱ決定権はあいつだよね〜」
一緒に行動した事で名前を言っていないのに察した深夜が苦笑を浮かべた。
暮人
「お前の主は…くそ、フェリド・バートリーか」