第23章 帝鬼軍の首都
暮人
「それはお前らが弱かったからだろう。何か文句でもあるのか?」
「別に。その件に私は関わってないし、地下都市がどうなろうとどうでもいい」
暮人
「はは、さすが吸血鬼。冷めてるな」
お前に言われたくない。
そう思ったが、声には出さなかった。
深夜
「ちょっと兄さん、あんまりいじめないでよ」
そんな会話に深夜が割り込んだ。
暮人
「いじめたつもりはない」
深夜
「いやいや、誰がどう見てもいじめてるから」
不敵な笑みを浮かべている事からわざと私を煽っていたのはわかった。
恐らく煽って私の実力を測りたかったか、怒らせて拘束する正当な理由を得るかのどちらかだったと思われる。
深夜
「それに兄さんただでさえ弱ってるんだから大人しくしてなよ」
「…これで弱ってるの?」
とても弱っている様には見えない。
疑いの眼差しで深夜を見ると彼は冗談を言っている風ではなかった。
深夜
「今はアリスちゃんがいるから頑張ってるけど、さっきまでは僕でも初めて見たレベルで弱ってたよ」
暮人
「そんな俺を見てお前は笑いたいのか?」
深夜
「笑われたいの?じゃあ笑おー。はははー」
暮人
「………」
全く感情が籠っていない笑いを見せた深夜を無表情で見つめた暮人。
深夜
「ちょっと睨まないでよ」
暮人
「はぁ…」
深夜
「辛いの?」