第23章 帝鬼軍の首都

暮人
「そうだ。わかっているなら話が早い」


じゃあ話せと言いたいのだろう。
暮人はじっとこちらを見つめて待っている。


「………」


その態度には腹が立つ。
でも今はあの気配から逃げ出す程の圧力を感じない。
暮人と話すなら今がチャンスだ。


「目の事は私も知らない」

暮人
「…それは本当か？」

「本当。調べたけどわからなかった」


疑いの目を向けてくるが、これは本当に知らない。
でももし知っていても彼には教えないだろう。


暮人
「ならいい」

深夜
「ちなみにアリスちゃんを調べたいんだろうけど諦めた方がいいよ」

暮人
「俺はそんな事１度も言っていないが？」


深夜の言葉に挑発的な笑みを見せた暮人。
それに対して深夜は私の頭に手を乗せて暮人へと微笑んだ。


深夜
「アリスちゃんには怖い吸血鬼達がついてるからね。兄さんも今はそれどころじゃないでしょ？」

暮人
「…そうだな。それに今はあいつが出てきてないからそいつに抵抗されたら殺されて終わりだ」

「あいつ…？」


２人の会話に出てきた人物がわからずに首を傾げる。


暮人
「なんだ。深夜から聞いていないのか」

深夜
「僕もさっきアリスちゃんと合流したから話す暇なんてなかったよ」


その言い方から暮人は先程呼んだ時、３人に説明をしたのだとわかった。