第23章 帝鬼軍の首都
「知ってる人?」
与一
「うん、あれって柊の人だよね?」
君月
「柊 征志郎(ひいらぎ せいしろう)。柊の人間だけど正直言って実力はまあまあの家の力で成り上がってる奴だ」
あれが柊の人間の1人。
暴れて訴えているが、誰も相手にしない。
「…なんでその柊の人間が拘束されてるの」
君月
「…それは俺達でもわからない。あいつはトップだった父親の柊 天利(ひいらぎ てんり)の言う事はちゃんと聞いていたはずだ」
与一
「君月くんよく知ってるね…」
君月がよく調べていたお陰であの男の事が少しわかった。
そして彼らがわからないのならいないこの少しの間で何かが起こったのだという事もわかる。
「わからないのならこの話はここまで」
よく考えると人目がある中話すべき内容ではない。
だから話をやめて本来の目的である妹の居場所を探す。
「…あ」
恐らく妹が居るであろう場所はすぐにわかった。
この研究所のど真ん中に設置されている檻。
その中には柊 征志郎と同じ様に鎖で拘束されている誰かがいる。
「あなたの妹ってあそこじゃない?」
君月
「!!」
そこを私が指さすと君月はすぐに向かった。
君月
「未来!!」
未来(みらい)というのは妹の名前だろう。
やはりあそこで合っていたのだ。
「それにしても檻か…」
柊 征志郎と違って実験材料だからだろうか。