第23章 帝鬼軍の首都
あれと対峙する事になったら彼らの生存は望めないが、あの存在に関しては言わない事にした。
君月
「じゃあフェリド達の所へ戻るのか」
「戻れるなら戻りたいけど…」
そう思い気配を探るが、フェリド達の気配を感じとる事ができない。
それに2人の事だから行く場所を誰かに言っているはずがないのでどこに居るのか検討もつかないのだ。
与一
「それなら僕らと一緒に行こうよ!」
「一緒にってどこに?」
君月
「今から俺の妹を探しに行くんだ」
「…妹」
君月の妹といえば日本帝鬼軍によって天使にされてしまったと聞いた。
人体実験の成果とも言えるその子にここの人間達は簡単に会わせてくれる訳がない。
「検討はついてるの?」
君月
「ああ…。多分ここだ」
彼の視線は私の背後へと向いていた。
確かに実験場と言っていたのでここにいる可能性は高い。
「…この中は危険だよ」
離れるべきだとすぐに判断するくらい実験場は危険だ。
それをこの2人だけで行って対処できるとはとても思えない。
与一
「じゃあアリスちゃんも来てくれないかな?」
「私も?」
君月
「確かにお前も居るのなら心強いどころじゃないな」
私はただ危険な事を警告するだけのつもりだったので、こんな提案をされるとは思わなかった。
「………」
逃げて来たのにまたここに入るのか。