第23章 帝鬼軍の首都
私は被害を受けない様に車からすぐに降りたのだった。
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それから少し時間が経った。
フェリド
「ほんの可愛い冗談じゃないかー」
そう笑顔で訴えるフェリドは人間達によって拘束されている。
フェリド
「無事誤解も解けたし、そろそろこの縄はずしてよ」
グレン
「黙れ。てめぇは一生拘束されてろ」
ただ話でわかる通り、拘束したのは兵士ではなくグレン達だ。
そして拘束されているのはフェリドだけで、私とお兄ちゃんは人間の街を普通に歩いている。
シノア
「まさかこんな形で渋谷に戻るとは思いもしませんでしたねぇ」
君月
「ほんとに吸血鬼連れてるしな」
鳴海
「それも4人も」
さすがに一緒に行動してきた人間達でもこの光景には違和感があるようだ。
周りにいる兵士達からの視線も痛いが、私やお兄ちゃんは全く気にしていない。
ミカ
「…歓迎されてるようにはとても見えないんだけど」
でもミカはその視線が気になっているようだった。
ミカ
「ここに来るのは正しかったのか?」
三葉
「…柊家相手に正しい事なんて何もない」
与一
「確かに…前呼び出された時は僕と君月くん拷問されたしね」
聞こえてきた柊家に関する物騒な情報。
「…拷問だって」
クローリー
「人間は簡単に、そして吸血鬼以上に平気でやるからね」