第23章 帝鬼軍の首都
優一郎
「え、ダメだったの?」
やはり私だけでなくシノアも呆れている。
それに優ちゃんは首を傾げているのだろう。
シノア
「んー、ダメかどうかわかりませんがグレン中佐には考えがあるはずです」
シノアがそう言い切った時、グレン達が乗る車が優ちゃん達の位置まで戻って停車した。
そしてすぐに扉が開く音がする。
シノア
「中佐!どうするんですか、これ」
グレン
「………」
グレンが降りてきたのでこれで騒ぎは収まるかもしれない。
そんな時、嫌な事に気づいた。
このままではグレンが説明をする前に私達の車が現場に到着してしまう。
グレン
「あー、お前らちょっと聞け!」
それに気づいた時にはもう遅かった。
グレンが言ったすぐ後、グレンの真横に私達が乗る車が急停車した。
フェリド
「はーい、みんな!吸血鬼が襲ってきたぞー!」
グレン
「………」
与一/三葉
「………」
オープンカーから身を乗り出し、笑顔で話したフェリド。
その光景に人間達だけでなく、私達ですら何も言えない。
兵士3
「う、うわぁぁぁぁ!!吸血鬼だ!!」
兵士1
「総員、弓を構え!!撃てぇぇぇ!!」
優一郎
「嘘だろ!?」
フェリドのせいで収まっていた戦闘がまた始まった。
「…はぁ」
元凶である当の本人は私の前でニコニコと笑っている。