第22章 第六のラッパ吹き
この質問は何度聞いてもちゃんとした返答は得られなかったのにだ。
フェリド
「世界を救う研究だよ」
フェリドはそう思ってもいなさそうな事を口にした。
ミカもそれを聞いて訝しげな表情に変わる。
フェリド
「今成功して1つ世界から厄災が消えたろ?」
「ねえ、世界から消えた厄災ってヨハネの四騎士の事?」
天使から十字架のナイフが出てきた後、ヨハネの四騎士は消えた。
でもそれは先程出現したヨハネの四騎士だけではないのか。
気になり話に入ってきた私に、フェリドは頷いた。
フェリド
「そうだよ。さっき世界中のヨハネの四騎士が消滅した」
「世界中の…」
フェリド
「ね、世界を救っただろう?」
確かにヨハネの四騎士によって殺された人間は多い。
フェリドの世界を救ったという言葉は正しいだろう。
フェリド
「僕らは救世主だよー。ね、グレンくん」
「………」
この態度がなければそう思えただろう。
でも彼の言動はただのヒール。
そんな相変わらずな彼に私は冷たい視線を向ける。
グレン
「…それ持って東京へ戻るぞ」
ミカ
「東京?何の為に?」
この2人もフェリドに慣れてきたらしい。
完全に無視をして話を進めている。
グレン
「人間が何千年も生きる化け物と対峙する為に」
そう言ったグレンはどこか遠く、空を見つめていた。