第22章 第六のラッパ吹き
君月
「じゃあ死ねばいいんですか」
グレン
「お前が死んだら妹も死ぬぞ」
君月
「………」
弱点である妹の事を言われて君月は黙った。
グレン
「優の言う通り俺達は家族の為に生きる。それが許されない罪だと言われても、醜く生きるのが禁忌に触れると言われても…」
そこで言葉を止めたグレン。
不思議に思い、顔を見ると彼は笑っていた。
グレン
「知るかよ、ばーか。って事だ」
「!」
彼がこんな事を言うなんて想像できなかった私は、思わず目を見張る。
そしてグレンは近くにいたヨハネの四騎士へと走り出した。
君月
「…中佐」
グレン
「ん?」
君月
「今の言葉はちょっと信用できました」
グレン
「そうか」
その言葉を聞いたグレンの表情はこちらから見えない。
でもとても柔らかい優しい声だと分かる。
グレン
「じゃあ行くぞ」
君月
「はい!!」
これで2人の会話は終わったのだろう。
ヨハネの四騎士との戦闘が始まった。
「…手伝ってあげるか」
今の話を聞いてグレンの印象が変わったからこんな事を思うのかもしれない。
そんな自分の気持ちもよく分からないまま、私も彼らが対峙するヨハネの四騎士へと攻撃を開始した。
君月
「…っ?」
開始した、と言っても跳躍の勢いを使っての攻撃にヨハネの四騎士はすぐに倒れる。
グレン
「アリス!?」