第22章 第六のラッパ吹き
そうと決まればすぐに動くべきだと屋根から飛び降りる。
「ヨハネの四騎士は…」
あの天使と優ちゃんの戦闘が激しくなってからヨハネの四騎士は増えていない。
このまま放っておいて天使に異変が起きても消えなかったら殺せばいい。
「…早くしないとうるさいし」
1人で殺すのは容易だが、絶対にフェリドから遅いと文句を言われるはずだ。
地上に降りた私へと群がってくるヨハネの四騎士を躱しながら声が聞こえる方へと向かって行く。
グレン
「いくぞ君月」
耳を澄ますと、激しい戦闘の最中には合わない静かな声が聞こえた。
君月
「…これで同罪だとあなたも言いたい?」
グレン
「言って欲しけりゃな」
そんな会話を聞いていると、ようやく彼らの姿が見える位置まで辿り着く。
目に入ったのは2人の背中。
君月
「なんで…俺達はずっとこんな事をしなきゃならない」
恐らくこの時代に生まれてしまった誰もが思っている事を口にした君月。
そんな彼の言葉に思わず足が止まった。
私も子供の時にそう思った事がある。
「………」
この問いに対して君月はちゃんとした回答が得られる事はないと思っている様に見えた。
目はヨハネの四騎士から離していないし。ただ思った事を呟いたくらいだと思われる。
グレン
「生きているからだ」
そんな中、グレンはちゃんと答えを出した。