第22章 第六のラッパ吹き
だからこそミカが叫んで止めるがもう遅く、優ちゃんと天使は激しい戦闘を始めていた。
君月
「優…お前…」
そんな優ちゃんの姿に躊躇していた君月も覚悟を決める。
君月
「グレン中佐!俺にあの薬を…!!」
フェリド
「はい、これ」
遠目からなので見づらいが、薬を出したのはフェリド。
だがあのフェリドが簡単に渡すはずがない。
フェリド
「これで君達も禁忌を破る実験仲間だねぇ」
今回は嫌味をいうパターンだ。
フェリド
「妹を救う為なら何だってする。たとえそれが仲間の身を犠牲にしても、だろ?」
君月
「それの何が悪い」
でも君月はもう吹っ切れていた。
フェリドから薬を奪い取り、走り出す。
フェリド
「いや、可愛いよ。生きてるなぁて思うし」
君月
「お前はさっさと死ね!」
フェリド
「ははは」
目的が決まった事でミカとグレンを含めた全員が動き出した。
当然お兄ちゃんとフェリドは参加しない。
私はどうするべきか悩んでいると、視線を感じたフェリドがこちらを見た。
フェリド
「………」
目が合うと微笑みながら手招くフェリド。
これはこっちに来いという事だろう。
「了解」
こちらにもヨハネの四騎士が集まって来ている。
だからそろそろ移動しなくてはいけないので聞こえているかは分からないが、指示を受け入れた。