第22章 第六のラッパ吹き
第六の天使
「…自分でも分かってないのか」
優一朗
「へ?」
第六の天使
「お前は鬼でも天使でも人間でもない。お前の存在自体が禁忌に触れている。消えるべきだ」
呆気に取られた優ちゃんに対して、淡々と言い放った天使。
第六の天使
「死ね」
「…っ!」
フェリドがこの天使は吸血鬼よりも弱いと言っていた。
だがそんな天使が放った殺気は遠くにいる私まで警戒させるレベルのものだ。
第六の天使
「死ね、死ね、死ね」
優一朗
「ぐ…!!」
うわ言の様に繰り返しながら攻撃を続ける天使と優ちゃんの実力差は歴然。
攻撃を受けきれずに優ちゃんは飛ばされてしまった。
「………」
これは私が動いた方がいいのかと悩む。
優ちゃんは天使を救おうとしている為、本気で殺そうとしてくる天使には絶対に勝てない。
それが分かっていたから一足先に戦いを見に来たのだが、ここで私が天使を殺したらどうなるのだろう。
状況を冷静に窺っていると、新たな気配を感じ取る。
第六の天使
「…!」
優ちゃんを狙った天使の攻撃が地上からの攻撃で相殺された。
攻撃したのはシノア。
鳴海
「くそ、化け物だらけじゃないか!」
だがそれ以降の攻撃は天使に届く事はなかった。
なぜなら彼らの元にはヨハネの四騎士が集まってきたからだ。
そんなみんなの声を聞いた優ちゃんは下を見て誰かを探し始める。