第22章 第六のラッパ吹き
それを聞いた優ちゃんが叫ぶのと同時に、ヨハネの四騎士が周囲に多数出現した。
あの天使がラッパを吹くとヨハネの四騎士が現れるというシステムらしい。
優一朗
「もう充分だろ。人間は充分辛い思いをしている」
第六の天使
「………」
優一朗
「これ以上苦しめる必要はないはずだ」
ヨハネの四騎士を生み出し人類への攻撃を続ける天使を止めようと説得を続ける優ちゃん。
でも天使は淡々としていた。
第六の天使
「人間は許されない罪を犯した」
優一朗
「俺は何もしてない。もうこの世界には何もしてない。奴らしか生き残ってない。なのにまだ罰するのか」
口を挟む隙を与えずに一気に言った優ちゃんに天使は黙る。
遠くから聞いている私はそんな天使の様子を見ながらその言葉の意味を考えていた。
もうこの世界には何もしてないという事は他の世界ではどうなのだろう。
そもそも優ちゃんは何が言いたいのだろう。
考えても答えは出ない程、全く意味が分からない。
第六の天使
「お前は…」
私と同じで考えている様子を見せていた天使が声を出した。
第六の天使
「人間じゃないな」
優一朗
「ああ、そりゃそうだろうな」
第六の天使
「そうじゃない」
優ちゃんは人間でありながら天使であり、鬼も混ざっている。
だからこその言葉だろうと思ったのだが、天使はそれを否定した。