第22章 第六のラッパ吹き
確かにフェリドの性格面は普通に生活していたら関わりたくないし、好きでもない。
でも彼自身は一緒にいて飽きない面白さがある。
フェリド
「そりゃあもう仲良しだよ。僕とアリスは兄妹の契りを交わしたかけがえのない存在で…」
「…誰と誰がいつそんな事したの」
こういう所は面倒臭いが、お兄ちゃん曰くこれもいずれ慣れるらしい。
三葉
「こうしてフェリドと一緒にいる所を見るとやっぱり吸血鬼なんだな」
「こうして見なくても私は吸血鬼だけど…?」
三葉
「そうだけど、風呂場で話したら恐れていた吸血鬼って感じはしなくて普通の女の子みたいだったから」
「そう…」
そういう意味かと納得した。
チェスやラクスの様な吸血鬼らしい吸血鬼よりは人間らしいとは思うが、そんな風に言われると戸惑ってしまう。
「髪の毛といえばだけど」
だからすぐに話を変えた。
多少強引になったのは動揺していたからかもしれない。
「日光拷問の後の短い髪の方が好きだったかな」
フェリド
「あー、あれ?」
あの時のフェリドの髪型には少しドキッとした。
普段とは違う短い髪は、いつもと違って男の人らしかったのを覚えている。
ただ全裸だったのが残念だった。
フェリド
「でもこの長髪が僕のトレードマークだからなー」
クローリー
「そう言えば僕と初めて会った時も長髪だったな」