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罪と罰【終わりのセラフ】

第22章 第六のラッパ吹き




「どこ行くの?」


暗い通路に響く私の声と複数の足音。
その声に前を歩くフェリドが振り返った。


フェリド
「君の大好きな家族の所」

「この人達も連れて行く理由は?」


からかおうとしているのは分かっているので、次の質問へと移る。
つれない私に少し不満げだが、文句を言ってくる事はなかった。


フェリド
「ギャラリーは多い方がいいだろう?」

「…?」


後ろを歩く人間達がギャラリーという事は、これから何かあるのだろうか。
含みを持たせた言い方をするフェリドに首を傾げる。


フェリド
「はは」

「はぁ…」


でもこれ以上は言わないらしい。
安定のフェリドに思わずため息が漏れた。


フェリド
「ため息つくと幸せ逃げちゃうぞ〜」


そう言って更に笑うフェリド。
彼が笑うと伸びてきた髪の毛が目の前で揺れる。


「髪、結ばないの?」

フェリド
「ん?」


サラサラの白髪を触ると目の前に広がった綺麗な長髪。


「女の人みたい」

フェリド
「あはは、お姉ちゃんって呼ぶ?」

「嫌」


こんな風にフェリドとゆっくり話すのは久しぶりかもしれない。
お兄ちゃんとはフェリド奪還の前に話したが、フェリドとはいつぶりだろうか。


シノア
「仲…いいんですね」


その声を聞いて後ろを見る。
シノアは普通に話す私達に驚いている様だった。
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