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罪と罰【終わりのセラフ】

第21章 囚われの天使




グレン
「この8年間ずっとラッパでヨハネの四騎士を異界から呼んでる」

優一郎
「何の為に」


その質問に冷静だったグレンの表情が初めて崩れる。
崩れたといっても本当に僅かで、一瞬悲しげな目をしたくらいだ。


グレン
「罪を犯した人間を罰する為に」


それを聞いて天使へと目を向ける。
鎖で拘束されている天使は大きなラッパを握りしめ、未だに叫んでいた。


優一郎
「なんだよそれ、なんなんだよ」


独り言の様に呟いた優ちゃん。
優ちゃんは動揺を隠せずにいた。


優一郎
「あいつは…いや、俺はいったいなんなんだ?」


その悲痛な質問になんと答えるべきか、そもそも僕にはその答えを持ち合わせていない。
そんな時、天使からラッパの音色が流れ始める。


優一郎
「………」


ラッパから流れてきた音色を聴いた瞬間、優ちゃんの様子が変わった。
じっと天使とラッパを見つめた後、自身の手からラッパを出現させる。


ミカ
「優ちゃん!!」


様子のおかしい優ちゃんに呼びかけるが、反応する事無く天使の方へ行ってしまう。


ミカ
「行くな!!」


叫びながら追いかけようとすると、肩を掴まれて止められた。


グレン
「行かせろ」

ミカ
「…っ!」

グレン
「ラッパが呼び合ってる」


この状況でも落ち着いている彼は恐らくこうなる事が分かっていたのだろう。
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