第21章 囚われの天使
だからこそ腹が立ち、手を払い除けた。
ミカ
「放せ!行くな優ちゃん!」
優ちゃんの背中にもうすぐで手が届く。
その時だった。
ミカ
「っ!?」
僕の体は見えない何かに阻まれてしまう。
それは強力で吹き飛ばされてしまったが、なんとか踏ん張って止まった。
ミカ
「くそ…!!」
生身ではこの先には進めない。
ミカ
「剣よ」
だから剣に血を吸わせて突っ込んだ。
ミカ
「斬り裂けぇぇ!!」
僕の斬撃が見えない壁へと的中する。
だが、僕の斬撃は見えない壁に弾かれていて全く効いていない。
ミカ
「…っ」
壊せない以上できる事もなく、2人の様子を見る。
優ちゃんは天使に話しかけており、天使も叫ぶ事を止めて優ちゃんの事を見ていた。
ミカ
「…くそ」
僕の声は届かないし、中に入る方法もない。
グレン
「お前らはずっと前から利用されてる」
ミカ
「…誰に」
グレン
「知らねぇよ。逃げずに少しは頭使って自分で推理しろ」
そんな時に言われた言葉に僕はグレンを見た。
グレン
「お前の事はお前の方が詳しいはずだ、考えろ」
ミカ
「………」
グレン
「お前は誰に飼われていた?斉藤にはいつ会った?百夜孤児院にはいつ入った?」
斉藤さんとの関係性に百夜孤児院。
僕は優ちゃんの後ろ姿を見つめながら、言われた通り過去の事を思い出し始めた。