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罪と罰【終わりのセラフ】

第21章 囚われの天使




だが、僕の質問への返答はそれだけではなかった。


グレン
「お前はもう糸を引いてるかもしれない奴と会ってるだろう。仲も良かったはずだ」

ミカ
「え…」


想定外の言葉に思わず声が漏れる。
僕が仲良くしていた大人なんて記憶の中には本当に僅かしかいない。


グレン
「百夜孤児院に出入りしていた斉藤と名乗っていた男…あいつは吸血鬼だ。それも第二位始祖の」

ミカ
「…!?」


自分の耳を疑った。
世界が滅亡する前、孤児院によく来てくれた斉藤さん。
斉藤さんは孤児院のみんなにお菓子を買ってくれていた優しい人だ。

その斉藤さんが吸血鬼だったという事実だけでも充分驚いたが、何故グレンは斉藤さんと僕が親しくしていた事を知っているのか。


ミカ
「お前はいったいなんなんだ!いつから何の実験をしてる!?」


グレンは僕らの事をどこまで把握しているのだろう。
知るはずもない事を知られているという気味の悪い状況に、つい声を荒らげてしまった。


グレン
「…俺は別に何でもない。何でもないから何もできなかった」


グレンは僕が声を荒らげた事など気にせずに落ち着いている。
その様子にこれ以上踏み込む事をやめた。


グレン
「だがこれからは違う。世界の先端へ行くぞ」

ミカ
「…この結界の中に何がある」


彼が足を踏み入れている結界。
そちらを見て嫌な予感が増しながらも質問をした。
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