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罪と罰【終わりのセラフ】

第21章 囚われの天使




優ちゃんはそれで納得したようだが、一応その帝の鬼という組織の事を頭に入れる。
詳しくは分からなくても情報は多い方がいいからだ。


優一郎
「百夜教ってなんだ?」


その質問を聞いたグレンが足を止めた。
もう1歩でも進むとグレンは目の前の結界の中に入ってしまう。


グレン
「滅亡前に日本帝鬼軍の前身の呪術組織である帝の月と世界の覇権を争っていたもう一つの組織だ」


そこまで説明してグレンは足を進めた。
爪先が結界に入り、こちらからは見えなくなる。


グレン
「お前らは百夜孤児院の出身で、百夜教の実験場で実験されていた。なんの実験か覚えているか?」

優一郎
「…記憶を消されている」


僕にはそんな記憶ない。
でも優ちゃんには少しだけ心当たりがあるようだ。


優一郎
「孤児院の前、俺は牢の中にいて悪魔の子だって親に呼ばれて…」


記憶を辿るように思い出した事を呟いていくので、よく意味が分からない。
だから僕は優ちゃんからグレンへと視線を向ける。


ミカ
「一瀬 グレン、いったいお前はどこから糸を引いている?お前は何者なんだ?」


どうせ答えないだろうし、答えたとしても僕は彼の事を信用できない。
分かっていながらもつい聞いてしまった。


グレン
「俺は糸を引いていない」


結局返ってきたのは予想通りの答え。


グレン
「だがな、ミカエラ」
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