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罪と罰【終わりのセラフ】

第21章 囚われの天使




優一郎
「でも優しいだけじゃないぜ。俺達は茜を生き返らす」

ミカ
「優ちゃん。それは禁忌に…」

優一郎
「知るかよ」


僕の言葉を遮った優ちゃんは迷いなく言った。


優一郎
「家族を取り戻すんだ。その為ならなんでもできるしなんだってする」

ミカ
「………」

優一郎
「必要なら人だって殺す。家族や仲間を守る為なら」


今、優ちゃんは言ってはいけない事を言っている。
なのに僕は何も言えない。
吸血鬼になってから僕もそう思うようになったからだ。


ミカ
「…そうだね、優ちゃん」


でも優ちゃんは人間。
吸血鬼の僕と同じ感情を持ってしまっている事が少し怖かった。


グレン
「やっと起きたか」

ミカ
「………」


玄関へ着くと、姿を表したグレン。
気配に気づいていたから驚きはしないが、あの人体実験を見た後だ。
嫌悪感で思わず睨みつけてしまう。


グレン
「また睨んで…今度はなんだよ?」

ミカ
「人体実験を行った形跡を見た」

グレン
「ああ、あれか」


グレンは面倒くさそうに頭を搔く。
嫌悪感を顕にしている僕になんと説明しようか悩んでいる風なグレンだが、彼が答える前に優ちゃんが割り込んできた。


優一郎
「人体実験ってお前がやってんのか?」

グレン
「…殆どが世界滅亡後に引き継いだものだが」

優一郎
「引き継いだ?誰から?」


矢継ぎ早な質問。
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