• テキストサイズ

罪と罰【終わりのセラフ】

第8章 貴族の遊び




フェリド
「外に出たら僕はそう簡単には追えない」

「…っ」


外までフェリドは追いかけれない。
何故そんな事まで教えるのかが分からなかった。

1人も逃がさない自信があるからか、それとも先程言っていた様に希望を与えて打ち砕きたいのか。


優一郎
「………」


優ちゃんが周りのみんなを見る。
ここにいるのは小さな子達ばかり。
この子達の速さでは、このバケモノから逃げれるはずがない。
誰かがフェリドの足止めをしても難しいくらいだ。


フェリド
「希望と絶望の狭間で君らはどんな声で鳴くのかなぁ?」

優一郎
「…っ!!逃げろ!!みんな出口まで走れ!!」


動きを見せたのは優ちゃん。
だが、誰もが萎縮して動けなかった。


優一郎
「ミカ!俺と足止めするぞ!!」

ミカ
「……っ」


いつもは指示を出す側のミカが、声をかけられてようやく反応した。
優ちゃんの提案に頷いたのを確認すると、優ちゃんは私の方を向く。


優一郎
「アリスはみんなと一緒に行け!!」

「でもそれじゃあ優ちゃん達が…!」

優一郎
「いいから行け!お前があいつらを連れて行くんだ!!」


本当は優ちゃんとミカを置いて行きたくない。
でも早く行かないとせっかく2人が足止めをしようとしているのに無駄になってしまう。


「……っ!」


子供達の背中を押して走らせる。
前で茜が先導し、後ろで私がフェリドを警戒。


「みんな、もう少しだよ!」
/ 646ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp