第21章 囚われの天使
なので今できるのは自分の為に真昼という人物を調べる事だけだろう。
「そろそろ聞いてもいい?」
敢えて前置きをすると、先程とは違う空気を感じたのだろう全員が真剣な表情になった。
「真昼とはどんな人物で、あなた達とどういう関係なのか。教えてくれる?」
1人1人の顔を見つめる。
グレン隊の3人の顔が強張るが、君月と与一は何も反応しない。
つまり彼らは知らないという事だ。
「………」
誰が答えるのか、しつこく聞かずに大人しく返答を待った。
小百合
「あの人がいなければグレン様は…」
深夜
「小百合ちゃん」
小百合
「………」
しばらく経ってポツリと呟いた言葉に深夜がそれ以上言うなと釘を刺す。
言葉を遮られてしまった小百合は私を見て黙ってしまった。
深夜
「真昼は鬼呪装備を開発し、世界を救った。ただその代償の様に命を失った天才だよ」
「え?でも…」
あの時、確かにグレンから真昼の気配を感じている。
そしてグレンもはっきり真昼と言っていた。
深夜
「何か引っかかる?」
私の反応に首を傾げる深夜。
グレン本人に聞いても教えてもらえなかった事を彼らが教えてくれるとは思えないが、聞く価値はあるだろう。
「真昼は何故今もグレンの傍にいるの?死んだ人、だよね?」
深夜/五士/小百合
「…!」
私の言葉に3人が固まった。