第21章 囚われの天使
「言わないのなら実力行使に出る」
脅しではない事を示す為に短剣の鞘に手を掛けた。
五士
「いやいや!落ち着いて!?俺達でも負けるから!」
五士に私が本気だと伝わったようで、手を上げて必死に止めようとしてくる。
「私は落ち着いてる。寧ろ騒いでるのはあなた」
五士
「いや、そうだけど!」
いつでも短剣を抜ける体制をとる私を見ても誰1人として武器を構えない。
それは彼らなりに私を受け入れようとしているからなのかもしれない。
「で、どうするの?」
深夜
「今グレンがしようとしてる事は答えれないよ?」
「分かってる」
私が主に聞きたいのは真昼の事だ。
それに全蘇生をしようとしているグレンが彼らに目的を話していない事は分かっている。
深夜
「じゃあ話すよ。何から聞きたい?」
「………」
何から聞くべきだろうか。
早々に真昼の事を聞いてもいいが、小百合の様子から雰囲気が重くなるのは予想できる。
そうすると他の事が聞づらくなりそうだ。
「じゃあグレン隊の人達を紹介して」
深夜
「紹介?」
「あなた達のフルネームも年齢も関係性も何も知らないから」
五士
「確かにそんな時間なかったもんなー」
初めて会った時に彼らは気絶していたし、目が覚めてからは優ちゃんの修行で手一杯だった。
だから彼らが呼び合う名前しか知らない。