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罪と罰【終わりのセラフ】

第21章 囚われの天使




*****



結局お兄ちゃんとフェリドは他にする事があると言って来なかった。
探索に来たのは五士、深夜、小百合、君月、与一、そして私の6人。

グレンと時雨とミカは優ちゃんを連れて地下へ、残りのメンバーは今後の事を話し合うらしい。
美十は話し合いの場にグレン隊のメンバーが誰もいなくなるので残る事になった。

そして探索を始めた私達なのだが、とにかく屋敷は広い。
小百合の案内で屋敷内を見て回っているが、1人だと迷子になりそうだ。


与一
「広いですね…!」

君月
「…中佐の家は名家だからな」


物珍しそうに辺りを見渡す与一に冷静に言いつつも驚いている君月。
彼らの雰囲気に気が抜けそうになるが、そういう訳にはいかない。


「…あのさ」


立ち止まり、声をかける。


与一
「アリスちゃん?」


与一が不思議そうな顔を見せるが、彼には目もくれずに五士へと視線を向けた。


「何が目的?」


あなた達の事を信じていない。
そういう思いを込め、敢えて笑って聞いた。


五士
「…探索しに行くって言っただろ?」


そんな私に動揺する事なく面白そうな表情を浮かべる五士。


「それは建前でしょ」

五士
「何でだ?」

「この人達が言うなら信じたけど…」


話についていけずに困っている君月と与一をチラリと見て、五士へと視線を戻す。
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