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罪と罰【終わりのセラフ】

第21章 囚われの天使




深夜はそんな私を見て嬉しそうに笑うと、グレンへと視線を向けた。


深夜
「グレンはどうする?」

グレン
「俺は優を連れて地下へ行く」


どうやらグレンは探索に来ないらしい。
彼はこの家の家主なので当然といえば当然の事だろう。


ミカ
「地下…?」


行く人が決まったのなら早く済ませようと思った時、少し離れた位置でミカがグレンの言葉に反応して呟いた声が聞こえた。


ミカ
「おい、地下って優ちゃんに何をするつもりだ」


自分の腕の中にいる優ちゃんを抱える手に力が入っているのがこの距離からでも分かる。
そんな警戒心むき出しの声を聞いてグレンはミカの方へと体を向けた。


グレン
「お前も来るんだろ?」

ミカ
「…ああ」


相変わらず多くを語らないグレン。
問いに答える気が無いグレンに追求を諦めたミカは素直に返答して黙ってしまった。

話が済んだのなら早く動きたい。


「勝手に色々見ていいの?」


面倒な事を済ませてしまいたい私は話の流れを気にせず、グレンへと問いかける。


グレン
「…小百合、ついて行け」

小百合
「あ、はい!」


いきなり名前を呼ばれたからか、少し驚いていながらも返事を返したのはグレンの従者である花依 小百合。


美十
「ねえ」


そうして着々と探索へ向かうメンバーが決まっていくなか、ずっと考え込んでいた美十が声を出した。
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