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罪と罰【終わりのセラフ】

第21章 囚われの天使




五士
「でも美十ちゃんも色々気になるでしょ?」

美十
「気になるって…」


そう言いながら五士は私の方を見る。

美十
「…!」


その視線を追うように美十もこちらを見ると、五士の言いたい事に気づいた様だった。
私の方を見て考え込んだ美十の様子から察するに、五士には探索以外に目的があるという事になる。

ここは日本帝鬼軍の人間である一瀬 グレンの家兼研究所。
状況的に不利なのはこちらな上、罠の可能性も充分にある。


「………」

フェリド
「………」


誰よりも先を読む事に長けているフェリドに視線をやるが、彼は笑っているだけで何も言わない。
行くか行かないかは私に任せるつもりなのだろう。


「…いいよ」


一瀬 グレンは信用できない相手だから危険ではあるが、それと同時に真昼の情報を得る最大のチャンスでもある。
だから悩んだ結果、私は行くという選択をした。


深夜
「じゃあ僕も行こうか」

五士
「深夜様が?」

「………」


意外な人物からの申し出に五士が首を傾げる。
私も深夜の意図が分からず、無意識に眉を顰めた。


深夜
「だって知らない人だけしかいないと不安でしょ?」

「…だから深夜も行くの?」

深夜
「うん、顔見知りの僕がいた方がまだいいと思って」


顔見知りといっても私には吸血鬼になってからの記憶しかないが、別に構わないので頷いておく。
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