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罪と罰【終わりのセラフ】

第20章 力の制御




「………」


つい想像してしまい、心の底から着替えを持ってきて良かったと改めて思った。


クローリー
「太陽に焼かれて熱くなかったかい?」

フェリド
「心配してくれた?」

クローリー
「まぁそうかな。心配する相手なんてほとんどいないし」


質問に質問で返されたお兄ちゃん。
それでもお兄ちゃんは気にする事なく、淡々と答えた。


フェリド
「アリスちゃんは心配してくれたのかな?」

「………」


フェリドの問いの答えはしていないに決まっている。
だが素直にそう言うと面倒な事になるので、私は無言でお兄ちゃんの胸板に顔を埋めた。


フェリド
「アリスちゃんは照れ屋だな〜」


この行動をそう解釈できる彼はなんて幸せなのだろうか。


クローリー
「で、日光拷問はどうなの?」

フェリド
「んー?」


フェリドが私を煽るも、何も言う気がない事を察してお兄ちゃんは先程の質問をもう1度した。
それによりフェリドも私からお兄ちゃんへと視線を移す。


フェリド
「いやー熱かったよ。まるで自分がまだ生きてるのかと思ったくらいだ」


彼が熱かったと言うくらいだ。
日光拷問は本当に辛いのだろう。


クローリー
「もう死んでるけどね」

フェリド
「ああ、僕達の心はもう死んでいる…」


トーンを落として呟いたフェリドは、相変わらず賑やかなシノア隊の方を見ている。
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