第20章 力の制御
あんなに長かった髪も今では短髪になっている。
フェリド
「さてと」
そう言いながら受け取った剣を支えにしてまるで下半身がある様に体を起こした。
普通に立っている様な体制だが、下半身の部分は何もない。
シノア/三葉
「………」
更には体が地面から離れた衝撃で血がこぼれ落ちている。
その衝撃的な光景を1番近くで見た2人は言葉を失った。
フェリド
「戦況はどうだい?」
そう問いかけても答えは返ってこない。
だからなのか、フェリドは近くにいる2人に目をつけた。
フェリド
「全部僕の想像通りに進んでいるかな〜?」
シノア
「うわぁ…」
三葉
「…はは」
もちろんこ目の前にいるグロテスクな存在に顔を引き攣らせている2人から答えはない。
キ・ルク
「………」
だがこれを見てもキ・ルクは動じなかった。
フェリドに優ちゃん、そして私とお兄ちゃんを順番に見て考え込む。
キ・ルク
「はったりだろ?」
そして悩んだ末に言った言葉はフェリドに向けてだった。
フェリド
「さーてね、どう思うかはあなたの自由」
キ・ルク
「………」
表情を探ろうにも全く読めないのがフェリド・バートリー。
それを聞いたキ・ルクの表情からは完全に笑顔が消えた。
フェリド
「とりあえず戻ってこーい」
キ・ルクの態度を満足気に眺めた後、フェリドは楽しそうに叫ぶ。