第7章 地下都市からの脱出
(アリスside)
「ん…」
誰かの大声で目が覚めた。
まだ部屋が暗いから多分夜中。
声の主は一体誰なのだろうか。
優一郎
「お前、外のウイルスはどうするんだよ?」
ミカ
「あれは確か13歳以下には感染しない、僕達は12歳。まだ大丈夫でしょ」
優ちゃんとミカが話しているようだ。
今にも寝てしまいそうだが、何とか起き上がって2人の元へ向かった。
「ミカおかえり…」
ミカ
「アリス!ちょうど良かった!」
「んー?」
ミカの横にくっついて座る。
寝ぼけ眼を擦りながら、ぼんやりとしていた。
優一郎
「今から脱出するんだとよ」
「…!?」
一瞬で目が覚める。
夢ではないかと思う程、優ちゃんの投げやりな言葉に酷く驚く。
「で、でも…そんなのどうやって?」
茜
「何の話してるの…?」
私が思わず大声を出してしまったせいか茜が起きてしまった。
ほぼ開いていない目をこちらに向けている。
優一郎
「…わかったよ、行こうぜ」
ミカ
「うん」
ため息をつきながらそう言った。
それにミカは嬉しそうに微笑む。
ミカ
「……よし、行こう!茜ちゃん、アリス、みんなを起こして!」
茜
「な…何?」
ミカと優ちゃんが立ち上がる。
そして優ちゃんは私の手を引き、ミカは茜に手を差し伸べた。
ミカ
「この世界から逃げるぞ!」