第20章 力の制御
キ・ルク
「…ふ」
彼は考え込む仕草を少し見せた後に確かに笑った。
グレン
「!!」
その笑顔に動揺したグレン。
だが、次の瞬間彼はもう目の前にいなかった。
グレン達の相手はせず向かった先はもちろん燃え続けるフェリド達の所だ。
「お兄ちゃん」
とりあえずグレン達の命に危険がなくなった事を確認してからお兄ちゃんの元へ駆け寄る。
クローリー
「お前も来たのか」
「うん、それより早く修復しないと」
首を体にくっつけると瞬く間に修復されていく体。
それはすぐに最初から何事もなかった様に元通りになった。
「やっぱりこうなった」
クローリー
「ん?」
キ・ルクは既にクルルを優先してフェリドを守るのをやめている。
躊躇う事なくフェリドの体を真っ二つに斬ると、自分へと向かって来た虎にぶつけた。
その瞬間虎は消滅し、虎が持っていた紫外線防止リングがフェリドに触れる。
クローリー
「これでフェリドくんは復活だ」
「そうだね」
これで彼が守るのはクルル1人。
クルル救出は更に難しくなった。
そしてこれを合図に、優ちゃんが自身に薬を打ち込む。
優一郎
「やるぞ阿修羅丸、力を抑制しろ」
顔中に広がっていく痣。
その痣が広がると同時に優ちゃんの強さが変わっていく様に感じた。
時雨
「っ!」
小百合
「…くっ」