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罪と罰【終わりのセラフ】

第20章 力の制御




五士の幻術が見破られ、首を絞められているのが見えたからだ。


クローリー
「…!」


それを確認したお兄ちゃんが向かっているから五士の命は大丈夫だろう。
でも代わりにお兄ちゃんが斬られるのは間違いない。


「行ってくる」

与一
「え、うん」


与一に告げて私は勢いよくビルから飛び降りた。

吸血鬼は体が斬り離された場合でも動ける体の届く範囲に動かないパーツがあるのなら自分で修復できる。
でも届かない範囲まで飛ばされてしまったらこの状況なら取りに行く事すら難しい。
戦闘中で余裕が無い人間達にはお兄ちゃんにパーツを渡す事もできないだろう。

お兄ちゃんが戦闘不能になると勝機はない。


キ・ルク
「まずお前が死ね」

クローリー
「君が死ね」


キ・ルクが五士を殺そうとした瞬間、背後からお兄ちゃんが斬りかかった。


キ・ルク
「って声かける意味ある?」


だが動揺する事もなく簡単に受け止められてしまう。
キ・ルクはお兄ちゃんが近づいている事も気づいていたのだ。


キ・ルク
「つまりお前はフェイント役だ」

クローリー
「…くそ」


やはり第五位始祖は強かった。
実力的には第七位のお兄ちゃんでも第五位との実力差は大き過ぎる。


クローリー
「…っ」


お兄ちゃんは抵抗する間もなく首を飛ばされた。


キ・ルク
「じゃあ本命は…」
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