第20章 力の制御
次々と放たれた鳥型の攻撃。
でもその攻撃は第五位始祖の吸血鬼からすると、あまりにも遅かった。
キ・ルク
「これ、目的なに?」
声から楽しそうに笑いながら言っているのが分かる。
彼は与一の攻撃をあっという間に払いのけてみせた。
与一
「くっ…」
悔しそうにしながらも諦めずに攻撃を続ける。
そして離れた位置から深夜も与一よりも強力な虎の形の特殊技を放つ。
深夜
「…っ」
だが、キ・ルクの背中を狙ったその攻撃も簡単に止められてしまった。
キ・ルク
「目的はあっちか」
そう呟き、キ・ルクは一瞬で拷問を受けるフェリド達の傍へと移動する。
そしてそちらに向かっていた与一の鳥の形の鬼呪を掴んだ。
これで紫外線防止リングを撃っている事に気づかれてしまった。
「もうバレた…」
想定よりも気づかれるのが早い。
それでも2人は紫外線防止リングを撃ち続ける。
「………」
このままではキ・ルクが2人を連れて撤退という判断をするのは時間の問題だ。
そろそろ行くべきだろうか。
与一
「…っ!…行くの?」
「いや、もう少し様子を見て…」
立ち上がった私を見て、攻撃をしながら聞いてくる与一。
劣勢ではあるが、まだ緊急事態ではない。
だからもう少し様子を見ているつもりだったが、そうも言っていられなくなった。
五士
「やべぇ!!捕まっ…」