第20章 力の制御
グレン
「クローリーやフェリドよりも上の第五位始祖の吸血鬼…」
グレンは真剣な顔をしてこちらへと猫の人形を見せてくる。
ようやく真面目に会議をする様に思い安心したが、少し違った。
グレン
「つまり超強い」
別に真面目にしているわけではなさそうだ。
ミカ
「…バカそうな話し方だ」
優一郎
「確かにバカそうだぞ。グレン」
グレン
「うるせぇ、ガキ共は黙れ」
これでは話が進まない。
「…ねぇ」
さすがにこれ以上の無駄話は時間の無駄だ。
そう思った私は彼らの話を遮った。
「いい加減に話を進めて」
グレンを見ながらいつもより低い声で言うと私に視線が集まる。
グレン
「…じゃあどう攻略するかだが」
グレンも同様にこちらを見ていたが、決まりが悪そうに目を逸らして今度こそ真剣に話し出した。
グレン
「普通の陣形じゃ無理だ。近接が得意な黒鬼装備も一瞬で殺される」
シノア
「まあ、そうでしょうね」
グレン
「だがクローリーは数秒なら攻撃を受け止められる、そうだな?」
グレンは同調するシノアに頷いた後、お兄ちゃんへと問いかける。
でもお兄ちゃんは顎に手を当ててすぐに頷かない。
クローリー
「…多分ね」
グレン
「多分じゃ困るんだが…」
お兄ちゃんの反応に困るのは分かるが、多分と言う理由も分かる。
実力は圧倒的に向こうが上だ。