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罪と罰【終わりのセラフ】

第20章 力の制御




グレン
「だってこいつめちゃくちゃ強ぇんだぞ?ちゃんとやらなきゃ仲間が死ぬ」


そう言いながら指差すのはキ・ルク役の犬の人形。
言っている事は正しいが、気が抜けそうになる。


深夜
「じゃあその犬がキ・ルク?」

グレン
「俺がキ・ルクだ。ガオー」

深夜
「………」


犬の人形を持ち上げ、深夜に突きつけるグレン。
それを見て深夜は人形に手を伸ばす。


深夜
「…えい」

グレン
「あっ」


人形は深夜に弾かれ、グレンの手から燃えている人形の近くに落ちた。
火はすぐに移り、あっという間に犬の人形も燃えてしまう。


「燃えちゃった」

五士
「早くも倒したな」

深夜
「完全勝利〜」


この犬の人形は水をかけてももう使えないだろう。

本物のキ・ルクもこれくらいで死んでくれる相手なら良かったのだが、彼の強さは一目瞭然。
それを知っている私からするとこんな風に遊んでいる暇はない。


「…はぁ」

グレン
「何のため息だよ」

「…そのテンションについていけない」

深夜
「あはは、これが僕らの通常運転だからね」


楽観的すぎるグレン達に私は呆れていたが、彼らは楽しそうだった。
多分仲間が傍にいる事で気が緩んでいるのだろう。


五士
「これから一緒に行動していくんだし?アリスちゃんもテンション上げようよー」

「…あなた達みたいに?」
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