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罪と罰【終わりのセラフ】

第7章 地下都市からの脱出




ミカ
「吸血鬼は倒せる。俺たちは負けない。そう繰り返す優ちゃんの言葉に僕も元気づけられ…て……」


真剣に話すミカの瞳からはいつの間にか涙が零れ落ちていた。
もしかしたら本当に何かあったのかもしれない。


優一郎
「お、おいミカ…お前本当に吸血鬼に何され…」

ミカ
「なんちゃって〜」

優一郎
「なっ……」


焦って心配したが、ミカの反応は想定と違った。
今までの真剣な表情から一転、と舌を出して笑ったミカ。
本気で心配した自分が恥ずかしくてたまらない。


優一郎
「……本当に大丈夫だったのか?」


最終確認としてもう1度聞く。
するとミカの楽しそうな顔が一瞬固まった。


ミカ
「ま、大丈夫じゃないけどね」

優一郎
「……」


これが本音だろう。
だが、またニコッと笑うと得意げに話し始めた。


ミカ
「けどタダで吸血鬼に血を吸われるような玉じゃないのだよ!このミカエラ様は!」


そう言い、懐から何かを取り出す。


ミカ
「じゃーん」

優一郎
「何だそりゃ?」

ミカ
「武器だよーん!フェリドの屋敷から色々パクってきちゃいました!」
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