第20章 力の制御
自分達を裏切っているかもしれないグレン。
それでも彼が来た事を安心している辺り、彼ら仲間にとっては良い人なのだろう。
でも私には全くそう見えない。
「グレンってどういう人なの?」
だから時間がある今、質問をしてみた。
与一
「中佐?中佐は…」
優一郎
「…グアアアアアアア!!」
それに答えてくれようとした与一だったが、外から聞こえてきた声によって阻まれる。
「優ちゃん…?」
与一
「え、これが!?」
この声は確かに優ちゃんだ。
屋敷中に響き渡る声にお兄ちゃん達が心配になり、いてもたってもいられず走り出す。
与一
「え!?ちょっとアリスちゃん!」
三葉
「あたし達も行くぞ!」
与一
「うん!」
そんな私を見た2人も顔を見合わせると、続くように部屋を飛び出した。
*****
(深夜side)
優一郎
「…グアアアアアアア!!」
深夜
「…ん」
何か大きな声が聞こえて意識が浮上した。
目を開けるが、ここがどこなのかが分からない。
深夜
「グレン…?」
朧気な記憶だが、気絶する前一緒にいたと思われるグレンの名前を呼んだ時だった。
部屋に響く爆発音と衝撃。
僕の体は反応する前に建物の外へと吹っ飛ばされた。
深夜
「うわっ!なんだよ!?」
体を襲う浮遊感。
だがそれに驚く暇もなかった。